宝塚記念

2002年
着順 馬名 性齢 人気 前走 前々走
1着 ダンツフレーム 牡4 安田記念・2人・2着 京王杯SC・4人・4着
2着 ツルマルボーイ 牡4 金鯱賞・2人・1着 メトロポリタンS・4人・1着
3着 ローエングリン 牡3 駒草S・1人・1着 若草S・1人・1着
レース回顧
上半期の締めくくりのグランプリレースにふさわしく快晴の良馬場で行われた。各馬スタートはマズマズ、1番人気のダンツフレームは安田記念に続き絶好のスタートを切る。逃げが予想されたローエンは内枠を生かしてすぐにハナヘ、少し離れた2番手にはトウカイポイント、さらに離れた3番手にシャカール、そしてシャカ−ルをマークするかたちで1番人気のダンツ、ツルマルボーイはじっくりかまえての後方から2〜3番手の位置取り。

道中は平均ペースで流れ、そして4コーナーではG1らしく先団が一塊になり、逃げたローエンにエアをはじめとして前につけていた馬達が並びかけ、エアは絶好の手ごたえでローエンを交わしにかかる。それを見てダンツ藤田ががジワジワと手綱をしごきエアにぴったりとついて回る。1度はエアに交わされたローエンだが、しぶとくもうひと伸び、再び先頭へ残り1Fでは2馬身くらいのリード、ダンツはエンジンがかかり始めたが、大外最後方からツルマルが襲いかかり一旦鼻先を並べられるが、そこからもうひと伸びツルマルを差し返し、2頭でローエンを交わし、そのままゴールイン。ダンツのラスト1Fでの切れ味とツルマルの大外からの伸びが印象的なレースだった。


ダンツフレーム
ジャングルポケット、サンライズペガサスの回避があったとはいえ、2冠馬エアシャカールを抑えて堂々の1番人気!絶好のスタートを切り、道中はエアをマークするかたちで4番手追走。4角での手ごたえはエアに見劣ったが直線持ち前の末脚爆発!一旦ツルマルに交わされたが、すごい勝負根性でクビ差差し返す強さを発揮した。これはBT産駒とダンスインザダーク(SS系)産駒の特徴の違いが出た感じもあるが、なによりもマイルでも通用するダンツの切れ味が発揮された、並ばれてからは頭の低いホームでもう二度と抜かせることはなかった。本当に強い競馬だった。

このレースを見て改めてダンツの距離適正はマイルから2200Mくらいが合ってそうな印象を受けた。(もちろんG1での話)ダービーでは後方から追い込み好走しているが、それは3歳馬同士の話でJCでは4角を回ってある程度前の位置につけ、ロングスパートが要求されるので少し辛そう。逆に距離が100M長い有馬記念は今回(宝塚記念)のような競馬で十分好走可能だと思う。

ただし、今年のJCは中山の2200Mなので仮にサンライズペガサスやジャングルポケット、エアエミネムが出走してきたとしても、スタートセンス抜群の同馬ならさっと好位につけ克服可能とみた。マイルでも通用する末脚は明らかに現役屈指の存在だ。同じBT産駒のタニノギムレットに似ている。


ツルマルボーイ
メトロポリタンS、金鯱賞を連勝で挑んだ宝塚記念、陣営やマスコミは左回りと斤量の58キロを不安視する声もあったが、結果はいつものようにすばらしい末脚を発揮した。

ツルマルにとって痛かったのは大外を回らされたことであるが、仮に内をついた場合は抜け出せない恐れもあるので、この馬の脚質を考えるとやむを得ないだろう。
やはり強烈な末脚をもっていたツルマルツヨシがなしえなかったG1制覇に向けて秋はがんばってほしい。


ローエングリン
皐月賞、ダービーを除外で涙を飲んだ同馬だが、初のG1の舞台をオープン2連勝も実績を引っさげ挑んできた。戦前から53キロの斤量とローエンの先行力に魅力を感じていたが、やはり間違えではなかった。

4角では先行集団に吸収されそうになったが横山典騎手は慌てずに内々を回り、通常通りにGOサインを出すと再び後続を突き放した。上位2頭の末脚には屈したものの、準3冠馬のエアを抜かせなかったのはこの馬の実力を思い知らされた。未練がましくダービーに出ていたならどうなっていたんだろうと思ったのは私だけだろうか??

秋はよりいっそう実力をつけてタニノギムレットと共に現3歳世代引っ張っていってほしい。


エアシャカール(2番人気、4着)
名手デザーモ騎手を背に道中3番手追走、直線入り口ではでは抜群の手ごたえで早くも先頭に立つパフォーマンスを見せたが、ムチが入ったローエンにもう一度突き放され、直線半ばでは1,2着馬に交わされた。

結果は4着に敗れたが、強い馬が宝塚記念でみせる4角先頭のレースをみせた、デザーモ騎手は本当にレースの性質をよく研究していると感じた。早仕掛けの声が挙がってもおかしくないが、それは結果論であって、私はG12勝という馬の実力を考えると好騎乗だったと思う。勝つ競馬をするデザーモ騎手の騎乗ぶりにあらためてエールを送りたい!


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