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Horse Story#007

トロットスター(牡５）(2001.2.7作成)
今回のゲストホースは先日、シルクロードステークスを勝ち重賞２勝を含む、３連勝を飾ったトロットスター号です。


　重賞２勝を含むオープン３連勝、それは並みの馬ではなかなか出来る事ではない。だがこの馬にとっては、ただＧ１を取る為のスッテプでしかない事であった。

去年のシルクロードステークスで彼は２着になった。だがその後、本番はまったく振るわずの９着、続く安田記念も見せ場すら無しの５着に破れている。５年前、高松宮記念がＧ１に格上げされるに伴い距離が２０００Ｍから１２００Ｍになった。それと同時にシルクロードステークスには、数々の短距離のスペシャリスト達が走り、そしてそこでの連対馬は実に強い馬が名を連ねている。

過去５年での連対馬の中でＧ１レースにおいて勝ち負けする事が出来なかった、或いはしていなかったのは、たったの３頭、実に不名誉な記録である。ドージマムテキ、ブロードアピール、そして今日のゲストホース、トロットスターがＧ１で勝ち負けしていない馬達だ。だが彼は去年の秋頃からメキメキと頭角を現し、マイルの重賞で連続２着、そしてオープン特別を勝ち、ついにＣＢＣ賞でＧ１スプリンターズステークスを勝ったブラックホークまでを、並ぶ間もなくかわし楽勝するほどの器に成長していたのである。

これには私も驚いた、当時彼は精神面、体調面ともに絶好調の状態であることは分かっていたが、ブラックホークとて１２００Ｍのスペシャリスト、そのような馬をまるで子供扱い。これで「Ｇ１取りの条件は整った」と彼は言いたかったであろう。だが去年からのローテーションの変更によりその後に控えているはずの大舞台は存在しなかったのである。なんとも皮肉な話である。


　そして満を持して挑んだ先日のシルクロードステークスでは、５８キロの斤量を問題にせず去年２着の屈辱をはらし単勝１．８倍の圧倒的１番人気で見事に快勝。次の彼の使命は、まだ果す事の出来ていないＧ１馬の勲章をシルクロードステークスの勝ち馬の名にふさわしく中京の１２００Ｍの舞台で手中に納めることである。そしてその夢が現実となったとき、彼は歴代の名スプリンターとして私達の胸に刻まれることになるだろう。


（成績と主な勝ち鞍）
２２戦６勝２着７回（２００１．２．４現在）
ＣＢＣ賞、シルクロードＳ、同レース２着

（血統についてワンポイント）

　父はダミスター、中央競馬ではあまり聞かない血統だが父が世界的大種牡馬ミスタープロスペクターなので、当然、トロットスターのような優秀なスプリンターが出てもおかしくない。

ミスタープロスペクター系の馬は、マイル前後を得意とする馬が多くシーキングザパール、アグネスデジタルなど数が多すぎてとてもじゃないけど書ききれない。もちろんクラッシックディスタンスをこなす馬もおり、エルコンドルパサーやマーベラスクラウンなどがその代表。

　サラブレッドだから当たり前だけど母方ももちろん一流血統がそろっている。母父がワイズカウンセラー。この馬の仔は京都新聞杯であのナリタブライアンを差し切った、切れ者スターマンがいる。ワイズカウンセラーはアレジット系、フェアダンス（エリザベス女王杯２着）がいる。ちなみに母方にはディクタスの名前なども見うけられる。

やはり重賞で活躍する馬、この馬も血統には無限の可能性が隠されています。

　最後は余談ですがトロットの冠名と言えばトロットサンダー、この馬も父ダイナコスモスというマイナー血統、ＳＳばかりでは面白くないのでこのようなマイナー血統が活躍すると応援したくなりますよね。

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