Horse Story#009

エルコンドルパサー(種牡馬)(2001.1.22作成)
先日、キングマンボ産駒のアメリカンボスがAJC杯を2着馬に2馬身半の差をつけて快勝、そしてマンボツイストが平安ステークスを芝並みの好タイムで優勝。今回のゲストホースは、種牡馬キングマンボの名を日本とヨーロッパに知らしめた、エルコンドルパサー号です。


 ”最強世代”競馬の世界には数年に1度の周期でこのように呼ばれる世代が登場する。彼の世代はまさに最強世代と呼ぶにふさわしい世代だった。マル外の怪物グラスワンダー、ダービー馬スペシャルウイーク、2冠馬セイウンスカイ、そして無敗のNHKマイルカップ馬エルコンドルパサー、馬の地位、名声の事を考えると、彼等がもし別々の時代に産まれていれば、このいずれの馬達も世代の最強馬に成りえただろう。だが我々の関心は「最強馬達の戦いを見たい」という事の方へ引き付けられてしまわずにはいられない。

 そして遂に毎日王冠で無敗の怪物グラスワンダー、ひとつ上の世代で宝塚記念を逃切り勝ちした音速の貴公子サイレンススズカとの闘いの時がやってきた。レースはサイレンススズカが「時代の最強馬は俺だ」と言わんばかりに、いつもの猛ラップで逃げ楽勝、グラスワンダーは4コーナーでサイレンススズカを射程圏に入れるものの、厚い厚い壁に阻まれ5着、エルコンドルパサーも初の古馬相手に健闘するものの完敗の2着。

だが私はグラスワンダー、エルコンドルパサーともに4歳で初の古馬相手、しかも相手がサイレンススズカだという事を考えるとまだ勝負付けは済んでいないと考えた。

 そして次なる戦いの場は誰もがマイルチャンピオンシップだろうと想像したが、陣営はジャパンカップを選択。これは、無敵の海外G1ホースタイキシャトルとの戦いを避けたのではという事が一瞬脳裏をかすめた。でも後のジャパンカップでその選択は彼にとって間違いではなかった事を証明する事になる。

 そしてジャパンカップ、外国馬はかなり小粒だが、日本馬には、堂々の1番人気ダービー馬スペシャルウイーク、天皇賞馬で歴代最強牝馬の呼び声高いエアグルーブが2番人気、そしてエルコンドルパサーが3番人気。彼は6戦5勝という好成績ながら、距離不安を囁かれ3番人気の評価だった。レースはサイレントハンターが逃げをうち、人気馬3頭は好位につけ、4コーナーを立ち上がり先頭に踊り出たのは、3番人気エルコンドルパサーだった。

レース前スペシャルウイークに騎乗する岡部騎手が「直線向いて誰が先頭に立つかが勝負だね」と記者会見で言っていた。名手の読みは当った。エルコンドルパサーがエアグルーブとスペシャルウイークを引き連れゴールを駆け抜け、見事4歳馬では初のJC馬の栄冠を手中におさめた。

 そして我々はエルコンドルパサー、グラスワンダー、スペシャルウイーク、セイウンスカイがそろって大舞台に立つことを望んだが、その夢は叶わず彼は戦いの場をヨーロッパへと移し、凱旋門勝2着を含む4戦2勝2着2回という成績を残し世界でも通用することを証明しターフを去った。

 エルコンドルパサーは本当に強かった、出来る事ならもう1度あの勇姿を我々の前に見せ、そしてライバル達と最高の舞台で最高のレースをしてほしい。

(成績と主な勝ち鞍)
11戦8勝2着3回
ニュージーランドトロフィー4歳S、NHKマイルカップ、ジャパンカップ、凱旋門賞2着、サンクルー大賞、フォア賞


(血統についてワンポイント)

Kingmambo
1990鹿
Mr. Prospector
1970鹿
Raise a Native
1961栗
Native Dancer
Raise You
Gold Digger
1962鹿
Nashua
Sequence
Miesque
1984鹿
Nureyev
1977鹿
Northern Dancer
Special
Pasadoble
1979鹿
Prove Out
Santa Quilla
サドラーズギャル
Saddlers Gal
1989鹿
Sadler's Wells
1981鹿
Northern Dancer
1961鹿
Nearctic
Natalma
Fairy Bridge
1975鹿
Bold Reason
Special
Glenveagh
1986鹿
Seattle Slew
1974黒鹿
Bold Reasoning
My Charmer
Lisadell
1971鹿
Forli
Thong

 父キングマンボは日本ではまだ産駒が少なくはっきりした事は言えないが、エルコンドルパサー、アメリカンボスなどから距離の融通が利きそうな感じ。しかもマンボツイストが平安ステークスを勝ったように芝、ダート不問、ここは、同じミスタープロスペクター系ではシーキングザゴールドに似ている。まとめると、適距離は1800M前後で距離延長で我慢が利き、馬場を問わないといったところか?まだまだ見ていく必要がありそう。

 母父はサドラーズウェルズ、日本では重たい血統というイメージが拭いきれず、サージュウェルズ(ステイヤーズS)がその代表産駒。明るい話題はオペラハウスの活躍、その仔にテイエムオペラオーがいる。もちろんヨーロッパでは超1流、エルコンドルパサーを凱旋門賞で破ったモンジューが出ている。

 エルコンドルパサーはマイルでも通用するスピードそして馬場を選ばない適応力を父から、ヨーロッパでも通用するスタミナを母から受け継いだと解釈してよさそうだ。


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